Kicloboの駆動方式の決定にあたっては以下の課題がある。これは Kicloboにのみ関わる問題ではなく、時計全般の課題でもあろう。
この中で最初の課題は、設計を詰めていくため最重要なものである。
時計である以上精度は重要である。しかしゼンマイや調速機・脱進機といった機構で精度を追求することは技術な課題に加え、製造性やコストとのトレードオフとなる。
時刻の精度を保ちながら設計面・製造面での制約を緩和させるためには、クオーツ等の電子制御が必要となる。
電子制御の弱点は、駆動系のトルクと言われている。Kicloboでは最終製品は金属製としたい。部品の軽量化や摩擦抵抗軽減が必要であるが、製造精度やユーザー組み立てであることを考えると、できるだけトルクのある駆動系が必要となる。
このため、Kicloboでは動力としてゼンマイくを使用し、電子的に制御された調速機、脱進機で精度を確保するハイブリッドな方式を採用したい。
ハイブリッド制御としては、セイコーのスプリングドライブなどが有名であるが、とても真似できるような技術ではなく、Kicloboの方式はもっと泥臭いものとなるだろう。